管理人は暴言は吐きません。いやっ、むしろ「吐き方がわからない」といったほうが正しいでしょう。言葉が出るよりも先に多くのことを考えてしまう。「この人にこの言い方はきつくないか」、「さすがにオブラートに包んだほうがいいよね」、「後でやんわり伝えておこう」などと思ってるうちに言いそびれてしまうことが多々あります。暴言吐けない私は実は上手く自分の中で処理できているのか、はたまたただ単に相手を責められないチキンなのか、そんなところを掘り下げていきます。
感情と上手く距離感を保つためには
「感情的に相手に暴言を吐いてしまった」、「感情にとらわれて気持ちが落ち込みどうしようもなくなってしまう」など私たちの生活には多くの感情が関わってきます。いい感情に包まれているだけが生活ではありません。むしろ、生活の中には負の感情の方が多いかもしれない。しかし、負の感情にあまりにもとらわれていては何もできなくなってしまうからこそ、人はもがき、あがきながら対処方法を探し続けるのだと思います。
その対処方法が良いものであれば、それはあなたを助けてくれる良いコーピングとなる一方で、誤った対処方法は、気持ちをさらに負の方向へと押しやってしまいます。あなたの対処方法は果たしてどちらなのか。
「イライラ」、「不安」、「落ち込み」など自分にとって受け入れがたい負の感情にも、実は役割があるのをご存知ですか?これらは、いわば危険なサイン。自分自身をこれ以上追い詰めないために脳が感情として信号を送っているわけです。
そこで重要なのは、自分の感情の出どころを探す作業です。
「なんでこんな感情が出てくるのだろうか」、「なんでイライラしているのか」などの考え方の癖について深く取り扱うことが認知行動療法でも用いられることのひとつ。
認知行動療法ってどんなもの?
詳しくは違う記事で取り上げますが、認知行動療法とは、自分の考え方のクセに気づいてその対処方法を具体的に考えていく作業です。感情の出どころはまさにそれぞれの経験に基づいたものなので、「イライラの下(無意識)にある自分の考え方」や「気分の落ち込みにある背景」について語ることも治療のひとつになります。話は戻りますが、以前のアンガーマネジメント~怒ってもいいんです!~でも感情は無理に押さえつけなくてもいいといいました。ただ、重要なのはその出し方。感情にとらわれた怒りになっていたり、強すぎる怒り、長すぎる怒りになっていないかを見直すことが大事と言いました。大切なものを守るためには怒りを適切に表出させる必要もあります。そこで重要となるのがこの感情との距離感です。
インファイターだけではノックアウトされますよ
ボクシングをご存知ですか?ボクシングの戦うスタイルにインファイターとアウトボクシングという型が存在します。前者は相手との間合いを詰めてなるべく小さく、コンパクトに、内側から相手を攻めていく一方で、アウトボクシングは、全体を見回し相手が踏み込んできても身体をかわしながら距離を保ちつつじわじわと外側からダメージを積み重ねていくスタイルのボクシングです。(素人解説ですいません)感情と距離をとる上で、このバランス感覚が最も大切になってきます。
インファイターは、いわば自分の考え方や感情の出どころをガシガシ掘り起こしながら自己内省を深める作業。
一方でアウトボクシングは、客観的に分析したり、状況や感情に巻き込まれないように俯瞰しながら関わる作業。
暴言をよく吐いてしまって困っている人は、この両方の作業を行ってから言葉にすることで人間関係がスムーズに行くことも!?感情なんてどうにかできるものではないと思っていませんか。世の中には持って生まれた才能や裕福な環境によって人よりも優位な条件が整う人だっています。生まれた環境はその人に多大な影響を与えるでしょう。
しかし、環境だけが人間を作るわけではありません。重要なのは、変えられない環境と努力によって変えられるものだってあることに気付くことが第一歩。これを見ている人に伝えたいのは、この変えられる部分を一緒に変えていきませんかということ。そして、認知行動療法に少しでも興味を示してくれる人が増えればなお嬉しい。ぜひ自分の認知に少し触れてみませんか。