2度目の緊急事態宣言が出た今、このサイトでは何について取り上げるべきか深く考えた。
緊急事態宣言によって、今後更なる問題が浮き彫りになる依存。
その一つがギャンブル依存症だろう。ギャンブルに対する異常な固執や渇望、衝動が抑えられなくなる病的な状態こそがギャンブル障害の定義でもある。
https://yuruiizonshou.net/post-1754/
過去の記事でも書いたように、彼らのギャンブルは病的と言わざるを得ない。1度目の緊急事態宣言中においても、賭博遊戯場(パチンコ・パチスロ)に行くことをやめなかった人達を私たちは多くのメディアを通して昨年見てきた。
しかし、一方で、ネット上ではギャンブル依存からの回復を支援する啓発動画も出るようになった。
青木さやかさん演じるTwitter連続ドラマ『ミセス・ロスト〜インタベンショニスト・アヤメ』は、SNSの力を目一杯活用し、依存問題を抱える当事者や家族に焦点を当てた依存症回復の啓発動画となっている。↓↓↓
https://twitter.com/SCGAsince2014/status/1260902708136960000
何よりこの動画では、高知東生(たかちのぼる)さんがギャンブル依存症の当事者役を演じている。高知さん自身、自叙伝「生き直す」の中で薬物問題からの回復について多く語っており、依存症という大きな枠組みの中で当事者側を演じることに対して多くの思いがあっただろう。
また、動画の中では、ギャンブルに問題がある旦那を持つ妻(通称ギャン妻)たちの抱える精神的負担は、きっと私たちの想像以上なのかもしれない。ギャンブル依存症問題を考える会では、こういった当事者とその家族への支援を行っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0d419e429bb9be5bb3899c3d38552c8b8c772f3
話は戻るが、2度目の緊急事態宣言によって、ギャンブル依存問題が実は身近なものだと再認識させるような事例が今後増えることが安易に予想できる。特に日本では、ギャンブル障害の80%がパチンコ・パチスロによるものなのは周知の事実だ。
他のギャンブルがある中で、なんでパチンコなの?
答えは簡単。
フリーアクセスであるため、18歳以上であればいとも簡単にギャンブルと繋がることができる。ギャンブルができる場所が身近にあると言うことは、それだけでギャンブル依存症のリスクを高めてしまう。
きっとこの言葉は、当事者達にとって痛いほど理解できるものだろう。
そして何より、緊急事態宣言によって生まれる大きな時間をうまく使えないのが依存症者の特徴でもあるのかもしれない。
最後に、LOST(田中 他,2019)を紹介したい。
ちなみにLOSTは診断基準ではない。
スクリーニングとして医療現場などでも用いられるようになってきた最新のスクリーニングテストだ。
https://scga.jp/?news=press-181122
まとめ
依存症は、目には見えにくい病である。
緊急事態宣言時だからこそ、問題性が浮き彫りになりやすい。「私は大丈夫だ」という確証はどこにもない。ただ、今日一日その依存と距離を置くことさえできれば、それもまた一つの回復の形になるだろう。
さて、この緊急事態宣言時に一体どのくらいの人間が自助グループにつながっていけるだろうか。自助とは何か、膝を突き合わせてミーティングを重ねる意味とは何かを今一度、感じさせられるのがこの緊急事態宣言でもある。
生活様式が日々変化していく中で、「気付いた時にはもう手遅れ」となってしまわぬように、各々の依存に関する問題性を緊急事態宣言だからこそ見直した方がいいのかもしれない。