誤解に騙されるなっ!依存症のホントとウソ

誤解に騙されるなっ!依存症のホントとウソ

とまあ、ちまたにある依存症に関する誤解や偏見、実際のところや嘘などじっくり取り上げていきましょう

 

 

 

 

 

 

 

Q,依存症は男性特有の問題で女性はそれほど関係ない
a,明確な性差があるわけではありません。アルコールを例にとると、飲酒を開始する年齢が早い人ほど依存症になるリスクが高まるそうです。女性の依存問題は表面化しにくい傾向があり、最近言われている「女性の依存症患者が増えてきた」という背景には、これまで見過ごされてきた暗数が社会情勢とともに認知されてきたのでしょう。女性の社会進出も背景にあるのではとも個人的には思います。アルコールに関しては、うつ病との関連も指摘されており、飲酒問題がきっかけで依存症治療につながることも多いとか。女性だからといって安心できないわけです。さらに言えば飲酒が機会飲酒ではなく習慣的な飲酒になっている人は特に注意が必要だとか。

 

Q,大麻やコカイン、覚せい剤などで捕まっている芸能人がいますが、割と普通な顔をしてるのはなんで?

a,そうですね。依存症は周りからみても使っているか使っていないかわからないのです。想像の中の薬物依存症者達は、生活が乱れ、目の下にクマができ、ガリガリで、手が震えてヨダレを垂らしている・・・なのかもしれません。
しかし、実際の依存症者達の姿はそうでないことがほとんどです。
さらに言えば、上記の薬物は精神依存が主な薬物と言えます。
以前の記事で身体依存と精神依存について書きましたのでそちらを参考に。

 

Q,睡眠薬も依存性があると聞きました。それらは違法薬物と何が違うの?

a,もちろん睡眠薬や抗不安薬の中にもベンゾジアゼピン系の薬物は存在します。ベンゾジアゼピン系は依存性があり、その取り扱いには注意が必要です。長期間の服用では身体依存が形成されるリスクもあります。離脱時には不安が大きくなったり、自律神経症状が出現することもあるほどです。
しかし、薬剤の摂取が直接的な快楽をもたらすわけではなく、治療に適切につながっていれば耐性が急速に形成されることは少ないでしょう。
(要は乱用しないことが重要。主治医としっかりお話しましょう。)

Q,覚せい剤はダイエットに効果ありと聞いたことがあります。実際はどうなのでしょうか?

a,覚せい剤等の薬理効果として食欲抑制作用が顕著に出るものがあります。つまりは何も食べなくていい状態が薬物を摂取することで作られるということ。この一点だけを見れば体重の減少には一時的に効果を示すかもしれません。ただし、その食欲抑制効果が切れた後はどうだと思いますか?その通り。リバウンドによって食欲が著しく高まる時期がやってきます。だからこそ、その食欲を抑制させるために違法薬物の再使用を繰り返してしまうのです。
負のスパイラルが形成され、いとも簡単に依存症になってしまうリスクがそこにはあるのです。
その一時的な体重減少にすがりつきたくなる気持ちはなんとなく分かります。
それこそが精神依存なのでしょうね。
女性が求めているような綺麗な痩せ方はできないと思います。

 

Q,依存症の親を持つ子どもは依存症になるのですか?

a,近年アルコール依存症の発症のしやすさと遺伝の関連が報告されています。アルコール依存症については、危険因子が特定されつつあり、遺伝のみならず、環境因子との相互作用によって依存症のなりやすさが解明されてきた部分もあります。特に家族がアルコール問題を抱えている場合では、その発症率が高まるとも言われています。また、機能不全家族で育った子どもの依存症罹患率や文化的な背景も依存症のなりやすさに関わってくることも。
ただ、必ずしも子どもも依存症になるわけではありません。
その世代間連鎖から脱出するためにもあなた自身が少しでも治療などに結び付けばその負の連鎖は止められるかもしれません。
完治はできませんが回復できるのが依存症です。

 

最後に

依存症に関する誤解が多いのがこの界隈の特徴。確かに使ったことのない人間が言えることは、体験した者と比べてその重みが違うことは承知の上。多くの人がその誤解を理解した上で過ちを起こした人たちに優しくなれればいいなと感じる。テレビで○ャニーズ事務所のメンバーが土下座している映像を見た。誰に対しての土下座なのだろうか。彼は見せしめのために土下座したのだろうか。
彼がやるべきことは世間への土下座ではなく治療につながることだと私個人は感じる。彼が賢く薬物をやめていく上で、きっと失敗もするだろう。それでもやめることを忘れず少しづつ回復していくことを祈る。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です