摂食障害(過食・過食嘔吐)とUber Eats等の宅配利用について

流行り病に伴い、自粛が余儀なくされる中で、摂食障害を抱える当事者たちの食行動はいかに変わったのか。

食べ放題などでカショオを繰り返し、過食欲を満たしてきた彼女らの「食欲」は、この自粛期間の中で一体何に置き換えられてきたのか。

https://yuruiizonshou.net/post-854/

また、自粛によって病気の症状はどのように変化したのかをTwitterのアンケート機能を活用してその現状について取り上げていく。

※なお、Twitterの性質上、必ずしも当事者が投票したものでもなく、統計的な処理は行わず、ある程度の参考値として見ていただけるとありがたい。

また、【ゆるい依存症のお話】のアカウントのフォローワーの少なさと私自身の独断と偏見がたっぷり詰まったフォロワーの力を借りた数値であることも考慮に入れた方がいい。

Twitterアンケート結果

このアンケートは2020年7月12日〜15日の3日間に集計したアンケート結果である。

【Uber Eats等の宅配利用と摂食障害に関するアンケート】
※自粛期間等の宅配利用によって摂食障害(過食または過食嘔吐)は・・・
◆悪化した      64%
◆やや悪化した    15%
◆やや回数が減った    7%
◆回数が減った    14%
72票

結果から見えてきたもの

 約8割もの摂食障害者が、この自粛期間で摂食障害(過食または過食嘔吐)の症状が悪化したと答えている。
投票者数は統計的に処理できるだけの数は集まらなかったものの、悪化(悪化した・やや悪化した)の割合は顕著だといえよう。
また、この件に関する当事者の意見を掲載する許可を得た。
【20代女性】
金銭的に追い詰められるのはわかっているけど、宅配アプリを見ていると過食欲が止まらなかった
【30代女性】
むしろバリエーションが増え、楽しく食べることができていた。ただし、食費は倍以上になっています
【20代女性】
どうせ過食嘔吐(カショオ)するので、コストを下げるため半額シールが貼ってあるものを仕入れます。都内ですがUberよりもスーパー派です

※アンケートに伴い批判的かつ参考になるDMもいただいたので、一部内容を変えながら載せる。
【○○代女性】
バレないよう隠すことに必死です。アンケートを取ることで摂食障害の印象がさらに悪くなるからやめてほしい。
私達の問題なのだから、下手に首を突っ込まないで。馬鹿にされているようでイライラする。あなたなんかよりよっぽど病気について理解している。
素直なご感想ありがとうございます。
当事者への配慮も踏まえて、今後の記事作成に努めて参ります。

まとめ

アンケートを実施して多くの反応をいただき、感謝の思いでいっぱいだ。

自粛に伴い、宅配利用が増え過食・過食嘔吐などの摂食障害の症状の悪化が顕著に現れた当事者多く見られた。流行り病の影響は、摂食障害者の日常に直接的に負の影響を与えることが少し理解できた。

加えて、金銭的な負担を余儀なくされている現実が見えてきており、今後のアンケート実施に加えるべき他の要因が少し見えてきた。

自粛の中ですら過食・過食嘔吐できるように依存症的行動に走ってしまう背景には、確固たるとらわれがあるのだろう。

病的な部分が流行り病によってわかりやすく出てきた当事者達も多いはず。
治療につながる必要があることを実感した人たちも多いことだろう。




過食嘔吐(カショオ)は止めると悪化する!?

過食嘔吐は止めると悪化する!?

このサイトで過食嘔吐(カショオ)する人がいるって記事を見たわ。頭ではわかってるんだけど、やっぱり止めた方がよくない?体に悪いことだし、止めるにこしたことはないんじゃないかしら。

 

このサイトで勉強してくださってありがとう♪
でもね、安易に過食嘔吐(カショオ)を止めると悪化することを知っていますか?

 

 

過食嘔吐は止めちゃダメ!?

そもそも過食嘔吐って目的があってやってる行動なんです。前回も話したように、摂食障害の人たちは自分の目標体重やボディーイメージに近づくため、日々努力しています。

それが不合理なやり方であろうと、真面目に過食嘔吐(カショオ)を繰り返し、目標体重まで無理をしてしまう。

そんな努力をしている人に対して過食嘔吐(カショオ)はダメだといってしまうと一体どういうことになるでしょうか。

う〜ん・・・
頑張っているのに否定された感じ?

まさにその通り。
だからこそ、過食嘔吐(カショオ)は止めてはいけないのです。

 

https://yuruiizonshou.net/post-854/

じゃあ、ほっておこうでは治らない

説明した通り、過食嘔吐は止めてはいけないことが分かりますね。
では、止めずにどうやって治すかについて考えていく必要があります。

摂食障害を抱える当事者は、このまま痩せ続けたい思いともうこれ以上過食嘔吐(カショオ)しちゃダメだという狭間でいつも精神をすり減らしています。

そんな時、周りができることは・・・

■回復のための多くの選択肢を提示すること
■周りの人の不安解消のために回復に無理やり結びつけないこと
■カショオした後の始末は自分で責任を取らせること
■ゆるく見守ること

まとめ

私たちの多くが、過食嘔吐(カショオ)をゼロにしようとまず考える。
しかし、その考え自体が摂食障害を抱える当事者を追い詰めてしまうことを知っておかなければいけない。

過食嘔吐(カショオ)の回数が減るだけでまずその努力を認めていかなければ回復にはつながらない。その一回我慢することは本当に難しいことであることを周りが理解していくことで本人は回復に向かいやすくなる。

https://yuruiizonshou.net/post-1703/





摂食障害だって依存症の一部!?

 

ねぇねぇ。このサイト摂食障害に関する記事も多く取り上げているみたいだけど、摂食障害も依存症のひとつなの?

 

いいところに気が付きましたね。
実は、摂食障害の食行動と依存には、とても密接な関わりがあるのですよ!?

 

なぜ、摂食障害は、依存症と同じ分類で語られるのか

第一に、依存の根底には「とらわれ」が存在する。摂食障害に問題を抱える人の多くが、体重○○.○○gをグラム単位でとらわれる傾向があり、日内体重の誤差をもコントロールしようとしてしまう。

しかしこれは、摂食障害に限ったことではなく、他の依存症においても「とらわれ」が存在し、そのとらわれに固執しながらコントロールを失う傾向が依存症にはある。

炭水化物は絶対食べない
今日は水分だけで乗り切ろう
食べても吐いてしまえば無かったことにできる
など多くの計画を立てながら、その課題の難しさに打ちひしがれ自己肯定感を失ってしまう人も多い。

第二に、とらわれと同時に体重が減ったことへの満足感が、脳に快刺激を与え、満足感の新たな経路がつくりだされることにある。
拒食を例にあげ、簡単に言えば、「結果に伴い満たされる」ことが摂食障害に拍車をかけてしまう。

食べないことで体重が落ち、脳は結果として「これで体重が落とせる」と強化され、同じ行動を繰り返してしまい負のスパイラルが形成される。

実はいい依存も存在し、筋トレや運動などはまさにそれにあたる。
適度な筋トレや運動は脳内物質であるセロトニンを分泌させ、体が変わる事で自己肯定感が増し、自信や性格そのものへの変化をもたらすともいわれている。

筋トレなどが日々コツコツと積み上げていくものに対して、摂食障害の問題は失敗が起きやすく、それに伴い自己肯定感が変動しやすい。

https://yuruiizonshou.net/addiction-2/

まとめ

摂食障害に限らず、依存の背景には共通する根っこが存在する。
依存症者は良くも悪くもその根っこと付き合っていきながら成功体験や失敗体験を繰り返していく。
「とらわれ」を一人で抱えていくことには限界があるため、SNSや周りにしっかりと助けを求めていく必要があるだろう。





依存の問題って誰にでも話せるわけじゃないんですよね。だからこそ話せる場って作っておく必要があるんです!

たしかに・・私だったら周りに知られたくなくて、一人で何とかしようとしちゃうかも。

今すぐできる過食スイッチを止める4つの工夫

摂食障害の症状の一つである、カショオ(過食嘔吐)についてはこれまでの記事の中でも多く取り上げてきたが、今回は、その過食のスイッチの止め方について迫る。

AERAの摂食障害の記事がチューブ吐きにまで言及!!

 

あなたがカショオ(過食嘔吐)の呪縛から逃げられない理由が実はここには眠っている。太ることが怖い方必見です。

 

過食スイッチを止める4つの工夫

□Twitterやインスタグラムのフォロワーの画像を見ない
□自分の買い込んだ食材を並べて撮らない
□無理なルールを作らない
□食べたい気持ちや止まらないつらさを言語化する

あなたがカショオの呪縛からから解放されるには、まずこの4つ工夫を試すことが回復の第一歩だろう。

~Twitterやインスタグラムの画像を見ない

SNSで同じ問題を抱える仲間とつながることはとても大事なことだ。一人で苦しみながらカショオを続けないためにも、たとえSNSであろうとつながっておくことは大切。

しかし、あなたは、フォロワーの画像を見ることで過食のスイッチが入っていないか?また、画像を見ながら今日、明日なにを次に食べようか考えていないか?

摂食障害者の多くは、食べ続けたい思いとやめなければいけない思いの葛藤を常に抱えている。あなたが開いているその画像は、カショオをより悪化させる引き金になっていないだろうか。無意識のうちに、知らず知らず強力な引き金に近づいていないだろうか。

食材を並べて撮らない

この行為は、一見何をどれほど食べたか記録しているだけのように見える。ひと昔前には、レコーディングダイエットという食事量を記録するダイエットも一時期流行った。

当時は、自ら紙媒体に記録し、そのカロリー計算によって摂取カロリーの整理に用いられたが、今はどうだろうか。スマホによっていとも簡単に画像に収められる。技術が進歩した反面、摂取カロリーに対する意識もアプリを用いることができるため、「考えること」が減ったのではないだろうか。

何を食べたかと記録していたものが、いつの間にかどれだけ食べたかという思考に陥っていないだろうか。

そして、食材を並べることは、過食行為をさらに強化させていることにもつながる。つまりは、過食を止めづらくさせているということ。まさに本人とって食べることを前提に動いている行動と言えよう。

無理なルールを作らない

多くの摂食障害者は、これまで幾度となく自分ルールを設定し、また、その自分ルールを幾度となく破り続けてきた。少しキツイ言い方になるが、摂食障害者のつくるルールには現実検討能力がないということになる。これは馬鹿にしているわけでなく、当事者によって作り出されるルールには、主観が入り込みすぎるため無理な目標設定を作ってしまいがちだ。

過食しないではなく、この時間帯だけ食べない。などのスモールステップを繰り返し、失敗しないルール作りが回復においても最も必要になるだろう。

食べたい気持ちや止まらないつらさを言語化する

まさに摂食障害において、最も重要な課題といえる。彼女らは真面目で我慢強く、弱音を吐かない。言語化することを避ける一方で、行動(症状)として、食べ吐きを繰り返す。つまりカショオの治療には、自分の言葉でつらさを話す必要がある。

しかし、世の中には安全で守られた自分の思いを話し合える場所は極端に少ない。カショオに向かう自分自身を引き止めるためにも、ツラさを言語化することは必須事項になってくるだろう。

もう一度言うが、彼女らは概ね真面目で、人に弱味を見せないからこそ、治療には「頼ること」が必要になってくる。なんとももどかしいことだ。

まとめ

我慢だけではカショオは止まらない。

しかし、多くの摂食障害者は、食欲を我慢できないのは我慢が足りないからだと思っている。摂食障害の依存に関する病識を持っていれば、意志の強さだけに頼っていても回復していかないことを身をもって体感できるだろう。

摂食障害の治療法には、薬物療法と同じくらい心理療法(認知行動療法・対人関係療法・カウンセリング)の有効性が示されている。摂食障害に至るきっかけを見つける作業やカショオに至る感情を言語化させることは摂食障害の治療に欠かせないもののひとつ。

結論を言えば、カショオの治療者はあなた自身だ。

精神科医やカウンセリングがあるから摂食障害が治るわけではない。あなたが自分の問題に向き合い、問題への対処方法を探りながら、治療に向かい続けることが摂食障害の回復期といえる。そのお手伝いとして精神科医やカウンセリングがあるのだと理解しておかなければいつまでたっても回復はしない。

そして、誰かに治療を丸投げするのではなく、治療に対して、また人生に対して主体的に生きようとする力が摂食障害者の治療には不可欠になるだろう。

あなたは、自分の体重や摂食障害に関するとらえ方についてどう感じているかなどを真剣に話したことはありますか?単なる体重が重い・軽いではなく、摂食障害について深く取り扱っている人はきっと少ないだろう。

でも、そんなこと話していったい何になるのか。」そう思う人も多いだろう。

しかし、摂食障害者にとって、今のあなた自身が感じている困り具合に焦点をあてる必要がある。「自分の思いや考えを吐き出してこなかったからこそ、症状として摂食障害があらわれている」ことに気づくことができれば、生き方全体が変わるかもしれない。だからこそ過食嘔吐は一種の自傷だと理解しながら、回復に力を注いで欲しい。




↓↓社会資源↓↓
こころの健康クリニック芝大門https://ipt-clinic.com/
メンタルクリニックエルデhttp://www.mental-erde.com/

あいち熊木クリニックhttps://www.dr-kumaki.net/
淀屋橋心理療法センターhttps://www.yodoyabashift.com/

※当事者でなくとも家族が社会資源につながることで当事者が生きやすくなることもありますので早い段階での受診をおすすめします。※