ヤングケアラー支援”法制化”によって救われるのは誰?

「ヤングケアラー」は、主に家族の介護を行う18歳未満の子どものことを指します。また、厚生労働省及び一般社団法人日本ケアラー連盟などの定義では、「本来、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」であるとしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f92e32c2dbaad3083091d05487082b1dd95b4861

このケアの概念は多岐に渡り、単なる「お手伝い」に留まりません。保護者の代わりに行う幼い兄妹の世話、病気のある家族の見守り、家計を支えるための労働といった多くの問題が子どもにのしかかります。
まとめたものが以下のもの

①主となる保護者が行うであろう家事など全般

②保護者の代わりに、幼いきょうだいの世話や見守りを強いられること

③家計を支えるための労働

④障害をもつ家族の世話や見守り

慢性疾患や精神疾患を抱える家族の看病

⑥外国籍の両親の代わりに行う通訳作業

⑦さまざまな障害を抱える家族のトイレや入浴介助

アルコール・薬物・ギャンブル問題などを抱える家族への対応と世話

大まかに8つに分類される。 今回はその中の58について取り上げたい。

⑤慢性疾患や精神疾患を抱える家族の看病

精神疾患を抱える家族のヤングケアラーは、ときに服薬管理を任されることがある。家庭環境が親の病気によって機能していない場合、子どもが大人の代わりとなり「本来大人達が担うべき問題を、子どもに任せてしまう家庭」も見受けられる。
母や父の精神疾患を子どもが診ることは、子どもにとっても負担が大きい。そのような家庭問題を抱える中で、服薬管理を任されたとしても、胸を張って「NO!」を言える子ども達は少ない。子どもが子どもらしく成長できないことは、将来に大きな負の遺産を残すことにもつながる。

https://yuruiizonshou.net/post-377/

⑧アルコール・薬物・ギャンブル依存問題が子どもをさらに苦しめる

依存問題を抱える家族のヤングケアラーは、学校生活と並行して世話に費やす時間が増加する傾向がある。特に、依存問題を抱える家族の「感情」に振り回され、精神的な負担不安が重くのしかかることが多い。
アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存問題が関連する場合、生活が非日常化し、子どもの負担はさらに大きくなることが考えられる。家族の一方的な問題に振り回され、嫌がおうにも関わらざるを得ない状況が続く中で、子どもだけでなく家族全体が巻き込まれ、イネイブリング(必要以上の世話焼きや共依存)の課題も問題もさらに複雑化させる。

https://yuruiizonshou.net/post-389/

依存問題は、当事者が向き合う問題なので、当事者の問題は当事者に返すしかない。
子どもが背負わなくてもいいのです
しかし、家族だからこそ見捨てられず問題が定着化してしまうことが往々にしてある。子どもには逃げ込む安全な場所本人らしくいられるための権利がある。家族への手伝いや手助けは「普通のこと」と思う子どもたちも多いが、子どもたちの学校生活に影響が出たり、こころやからだに不調を感じるほどの負荷がかかっている場合は、特に注意が必要になる。
真面目な子ども達ほど、問題を誰にも話せず、真面目に家族を助けようとひとりで抱え込んでしまいやすい。

まとめ

ヤングケアラーを語る上で、本来助けられるべき対象をブレさせてはいけない。過去に、こども庁こども家庭庁になったように、こども自身が直接的に支援を選び、助けを容易に求めやすい環境を「大人」が整えなければいけないと感じる。”法制化”によって救われるヤングケアラー自身のサポート資源をひとつでも増やしていくことが求められる。実際、教育現場でも、不安定な家庭をある程度周知している場合が多い。しかし、家庭に入り込む場合に大きな壁が立ちはだかる。そういった壁を当たり前に踏み越えられるような”法制化”を期待したい。

以下は参考サイト

https://kidsinfost.net/2020/10/04/young_carer-2/

https://www.mhlw.go.jp/stf/young-carer.html

https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=102439