緊急事態宣言中の最中パチンコに行く奴はギャンブル依存症か否か問題

都内で緊急事態宣言が出され、5月6日までの外出自粛が言われる最中、特定の遊戯施設「パチンコ店」にはGW前のこの連休でさえ行列ができている。
なかでも大阪は、休業要請に応じないパチンコ店の公表に積極的に踏み込むなど独自の対策をしている。果たして彼ら彼女らにとってギャンブルをすることは不要不急の事態なのか。依存症の観点から考察していきたい。

依存の問題?趣味の範疇?

依存症全般の定義に共通するように、「コントロールを失うこと」はまさしく依存症と捉えて差し控えないだろう。「否認の病」とも言われるように、彼らは自分が依存症であることを認めることを避ける傾向がある。

「基本的には外に出ることを避けたほうがいい」時期でも「ギャンブルに行くと決めたら行ってしまう」この自己矛盾はまさに趣味の範疇を越えた依存症の問題を抱えている。

一般的な趣味嗜好の範囲であるなら諦めがつきやすい中で、ギャンブル中心の生き方になっている当事者はその諦めの感情と戦い続けていると言える。当事者たちの「ギャンブルを続けたい欲求」と「それを止めたい欲求」が同じ程度存在していることを一般の人たちはなかなか理解できないのが現状だ。

ネットなどでいくら依存症を叩いたとしても、このことに気付くことができなければ助言もその効果を発揮しない。
現在非常事態宣言にある中でも、そこに向かいたくなる気持ちを理解しながら行動自粛を呼びかけるにはそれなりのテクニックも必要になってくるだろう。

「依存症は病気」であることを理解している人たちも、このような非常事態宣言を通じて回復者への支援を声高に上げていく必要がある。

ともあれ、感染症収束に向けて個人単位でできる努力は必要であり、余分な外出等は控える事が今は大事。

もちろん政府が主体となって休業を「指示」する場合には、企業に対して補償とセットでその動向を見守ることが求められるだろう。また、その法律に脆弱性があるのであれば、それも含めて変えていくのが政治家の仕事であり、今こそギャンブル依存症についても大きな一手を打つべきタイミングなのではないだろうか。




大麻摘発増加の3つの理由

近年、大麻事件の摘発が右肩上がりに増加しつつあり、その流れに歯止めをかけるべく、若年層に向けた未然予防教育にも力が注がれているものの、その入手の容易さのハードルは低いままだ。なかでもスマホの普及によって若者でも容易に違法薬物を入手しやすくなり、以前のような「繁華街にいる怪しい外国人から買う」という定番の入手文句は現代ではもう通用しなくなってきている。

大麻3

摘発増加の3つの背景

低価格化と入手の容易さ
曖昧な法整備
薬理効果

1に関しては、スマホの普及により若年層中心に拡大している背景がある。SNS等のダイレクトメッセージや掲示板等のアプリを駆使しながらいわゆる「売人」と言われる者たちは格段に「営業」しやすくなってきた。また、反対に、それらを欲する当事者たちも容易につながりやすくなったと言える。摘発件数増加の背景には、需要と供給をつなげる橋渡しが多岐に渡ってきたことや、特定の人間を介しての取引に頼らなくてすむスピード感があるのだろう。日本では水際対策がなされているといえども、年々違法薬物の輸入量は増加傾向であり、その他の違法薬物よりも安価で購入できる事も拍車をかけている。

2に関しては、大麻取締法違反は、「使用」に適用されるのではなく「所持」に適用される事が背景にある。大麻使用の抜け穴とも呼ばれているものでもある。曖昧で理解しずらいが、自然界に自生する大麻に関しては、その成分が検査によって摘出されたとしても「所持」を伴わないと摘発に至らないケースのあると言う事だ。(ただし、麻薬取締官などから継続的にマークされる事もある)つまり摘発増加の背景には、それ以上の暗数が隠れている事がわかる。

3「ネガティブな気持ちがスッキリする」、「リラックスできる」と使用者が言うように、薬理効果を持っているからこそ大麻使用か継続されるのだろう。個人の抱えている「不安」や「痛み」を一時的に緩和してくれる効果があるからこそ彼ら彼女らは大麻に「依存」してしまい、その薬理効果から逃げる事が困難になる。

まとめ

言うまでもなく、違法薬物の所持や使用は犯罪である。しかし、それらに「依存」する背景には彼ら彼女らの生きづらさが存在するのかもしれない。そこにアクセスしない限り、違法薬物の右肩上がりの摘発件数に歯止めをかけることはできないだろう。

周りを見渡せば、実は身の回りに大麻製品はたくさんある。日本では、産業用に大麻を活用することが一般的で、種や茎の繊維から多くの製品が作り出されている。また、抽出されるオイルは一定の法律のもとで商品化され、普通に売られている。

これまで「葉」に関する効果や効能に関しては、統計的に取り扱われることは極端に少なかった。同時に、これらの大麻使用がより違法で強力な薬物使用のゲートウェイドラッグとなる事も理解しておかねばならない。大麻を軽視するのではなく、脱法・合法問わず薬理効果や副作用の検証も含め、法制度の見直しも適宜必要となってくるだろう。

タバコをやめ続け、10年以上経過している管理人にとっては、もし法律で認められたとしても使用する選択肢は出てこないのかもしれない。しかし、そこに積極的に向かおうとする人たちの心情には何らかのこだわりがあるようにも思えるからこそ当事者たちとの語らいは継続していきたい。



摂食障害の治療のための予備知識講座(家族編)

前回の記事【誰にもバレない、摂食障害の治し】に引き続き、摂食障害に関する疑問と周りの家族が気をつけておくべき3つのポイントについて取り上げる

◆家族が摂食障害になった時に絶対にやってはいけない3つのこと
過食嘔吐は無闇に止めちゃいけない
過剰に反応してはいけない
診察室に入ってはいけない

過食嘔吐は無闇に止めると悪化するので行動を制限する考えは捨てなければいけない。じゃあそのまま放っておくのかというとそうではない。家族は見守るしかできないことを心にとどめておく必要がある。見守る=放っておくではない。否定するのではなく、寄り添うことが最善策となる。摂食障害の当事者に淡々と寄り添い、手を差し伸べる準備を常にしておく。

過食嘔吐の回数が急激に増えたとしても家族は動じてはいけない。反対に過食嘔吐が急に止まったからといって一喜一憂してもいけない。家族や周囲の人間が相談につながることで本人が回復しやすくなると言われている。「本人のためにと思ってする説教やアドバイスにはほとんど効果がない」重要なのは、摂食障害患者自身の回復のタイミングを見逃さないこと。(ただし拒食に関しては命に関わるケースもあるため早期介入が必要)

③家族は、通院についていくだけで構わない。診察室には本人から「一緒に入ってほしい」と言われた時のみ入るぐらいがちょうどいい。主治医と何を話したかなど詮索する必要はない。摂食障害は単なる食の異常行動の問題ではない。親や身近な人間が摂食障害をコントロールしようとすればするほどコントロールを失う。食を契機とする家族全体の問題が関わっていることも多いため、家族がやるべきこととやってはいけないことを主治医や医療従事者と確認しておいたほうがいい。

まとめ
家族や周囲の人間は、当事者の異常とも言われる行動と向き合うのが怖いのだと思う。自身の無力感に耐え切れず、説教や行動規制をしてしまう家族も少なからず存在する。
重要なのは「家族の愛で病気は治らない」と受け入れることが大切になる。私は、摂食障害の家族の接し方ひとつで状況がガラリと変わったケースも見てきた。
家族が抱えすぎないことと摂食障害の悪循環から離れるためにも、まずは家族が周りに助けを求める経験を積み重ねるといい。
摂食障害の家族会の雰囲気を肌で感じることや、同じ境遇の人たちとの「共感や分かち合い」を家族が体験することに大きな意味がある。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_eat_sub2.html