日曜日の朝のアニメ帯が終わり、将棋番組がひと段落したところでいつもTBS系の情報番組「サンデー・ジャポン」を見るか、フジテレビ系の「ワイドナショー」を見るかで迷う。先週から引き続く沢尻エリカ容疑者の話題が挙がるだろうと思い、今日は「サンデー・ジャポン」にチャンネルを合わせたわけだ。
よくぞ言ってくれた!ホリエモン!
ひとしきり沢尻エリカ容疑者の過去の友人関係、現在のクラブ事情、よくわからない関係者のインタビューが紹介され、MDMAがどんなに怖いものであるかという印象を与えた上で、スタジオに意見を求めるという構成。
芸能界に薬物汚染が蔓延しているかのような口調でナレーションが入り、「某デザイナー」や「某女性タレント」といった視聴者の想像を駆り立てるような煽りをしながら薬物のルートや疑惑の人間関係に話を持っていく。
そこで口火を切ったのがポンコツの杉村太蔵だ。(割とキャラは好きなのだが・・・)
「薬物を使用している人は、自首してちゃんと反省した上で治療に結びついたらいい」
一見まともな意見だと感じるが、ここに大きな隔たりがあることにお気づきだろうか。
そこですかさずホリエモンが言い放つ。
「(薬物を)やめるのはいいけど、自首しろっていうのは言いすぎだろ。」
ホリエモンのこの言葉は、まさに今薬物依存症で苦しんでいる人たち側からの視点を取り入れている言葉だ。彼ら彼女らにとって「自首する」ということは、社会から排除されることとイコールなのだ。
加えて「自分でやめればいいんじゃないか」という言葉を添えており、治療の必要性と捕まるだけでは解決しない薬物問題の根深さをうまく表現した言葉だと感じた。
沢尻エリカ容疑者のテレビ復帰に関して、ポンコツ杉村太蔵の「法を犯した人に対して、厳しさを示すこと」に対して、ホリエモンのツイッターでは「一発アウトとかおかしいでしょ普通笑」と真っ向から否定した。
ホリエモンTwitter引用
「厳罰化すりゃ犯罪減るって思うのは浅薄だし、厳罰化は社会を不自由にする」とした上で、「そもそも、ある程度麻薬などは合法化したほうがいいのに」と激論を交わしていた。
Twitter引用の後半のコメントについては別の記事で取り上げるとして、厳罰化=犯罪減少が必ずしもそうでない部分は大きく共感を覚えた。
実は治療過程では自首は遠回り
ポンコツさんが放つ感情論だけでは依存問題は解決に向かわない。やはりこの依存問題に関しての議論は避けて通ることはできず、根拠となるデータと当事者たちの声を取り入れた支援の在り方を思案すべきだろう。
実際のところ、薬物問題は司法的な厳罰を与えると本人は治療から離脱してしまう。もちろん犯罪を犯したのだから罪は償わなければいけないのが法治国家というものだ。
しかし本当にそれは本人のためになる施策だろうか。
彼らが自首して治療から離脱してしまうことでさらに社会復帰が困難になることをマスコミは考えない。
ただ、そういった社会資源に助けを求めることが苦手な本人たちの特性と受け入れがたい社会全体の問題も背景には隠れているのも事実。
番組の中でデーブスペクターが話していた「海外では、違法でありながらも刑罰から外すという取り組みもしている。ただ、販売人は捕まえるというシステムも国によってはある。」こういう事実なども含めて、薬物依存全体についての施策がより当事者たちに沿ったものになることを期待する。