前回の記事【誰にもバレない、摂食障害の治し】に引き続き、摂食障害に関する疑問と周りの家族が気をつけておくべき3つのポイントについて取り上げる
◆家族が摂食障害になった時に絶対にやってはいけない3つのこと
➀過食嘔吐は無闇に止めちゃいけない
②過剰に反応してはいけない
③診察室に入ってはいけない
➀過食嘔吐は無闇に止めると悪化するので行動を制限する考えは捨てなければいけない。じゃあそのまま放っておくのかというとそうではない。家族は見守るしかできないことを心にとどめておく必要がある。見守る=放っておくではない。否定するのではなく、寄り添うことが最善策となる。摂食障害の当事者に淡々と寄り添い、手を差し伸べる準備を常にしておく。
②過食嘔吐の回数が急激に増えたとしても家族は動じてはいけない。反対に過食嘔吐が急に止まったからといって一喜一憂してもいけない。家族や周囲の人間が相談につながることで本人が回復しやすくなると言われている。「本人のためにと思ってする説教やアドバイスにはほとんど効果がない」重要なのは、摂食障害患者自身の回復のタイミングを見逃さないこと。(ただし拒食に関しては命に関わるケースもあるため早期介入が必要)
③家族は、通院についていくだけで構わない。診察室には本人から「一緒に入ってほしい」と言われた時のみ入るぐらいがちょうどいい。主治医と何を話したかなど詮索する必要はない。摂食障害は単なる食の異常行動の問題ではない。親や身近な人間が摂食障害をコントロールしようとすればするほどコントロールを失う。食を契機とする家族全体の問題が関わっていることも多いため、家族がやるべきこととやってはいけないことを主治医や医療従事者と確認しておいたほうがいい。
まとめ
家族や周囲の人間は、当事者の異常とも言われる行動と向き合うのが怖いのだと思う。自身の無力感に耐え切れず、説教や行動規制をしてしまう家族も少なからず存在する。
重要なのは「家族の愛で病気は治らない」と受け入れることが大切になる。私は、摂食障害の家族の接し方ひとつで状況がガラリと変わったケースも見てきた。
家族が抱えすぎないことと摂食障害の悪循環から離れるためにも、まずは家族が周りに助けを求める経験を積み重ねるといい。
摂食障害の家族会の雰囲気を肌で感じることや、同じ境遇の人たちとの「共感や分かち合い」を家族が体験することに大きな意味がある。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_eat_sub2.html