大麻問題の落とし穴

この記事を読めば「世界の大麻に関する流れ」がわかります

なぜ今、日本の若者に「大麻」が蔓延しているのか

結論から述べると、現代の若者は「賢く」「合法な中で自分に合った癒し」を見つけようと努力しているからだと私は、専門家として感じています。
あれ?そもそも大麻って合法じゃないよね?
そもそも違法だし、癒しだとしてもダメなものはダメでしょ絶対!
と感じた方は正常な方です。安心してください。
日本以外の多くの国でも、大麻使用は合法ではありません
大麻草から抽出される成分の代表的なものにテトラヒドロカンナビノール(THC)があります。THCはアルコールに似た陶酔感、多幸感、高揚感、他にも幻覚作用を有しており、中枢神経に結合する立派な依存性物質です。一方で、その他の成分であるカンナビジオール(CBD)は、依存性は確認されていないというのが現在の定説ですが、THCに比べて不明な点が多い物質で規制に関しても意見が分かれやすいものです。だからといってCBDも合法ではなく、あくまで不明な点が多い、ややグレーなものだと言われています。(個人的見解を述べるのであれば、現在、承認されていないものならば、限りなく黒に近いグレーだと感じます。)
現在、大麻事犯の検挙人員は、過去最多を更新した昨年と同水準で、覚醒剤事犯を超える勢いで増えています。また、乾燥大麻押収量は前年より減少したものの、300キロを超え、 MDMA等錠剤型合成麻薬押収量に関しても前年よりも大幅に増加傾向が見られます。
このように賢く使うつもりでいた若者が、いつの間にかリスクの高い環境に身を置いてしまったことで依存問題が深刻化しているのが現状だと見て取れます。

いまだに誤解が多い【合法か非合法か問題】

結論から述べると「娯楽目的の嗜好品として合法化している国は、米国(一部の州)、カナダ、ウルグアイ」などの国に限られています。

合法化という言葉から想像するに「誰でも自由に使える」と勘違いする人も多いですが、嗜好用大麻の合法化は当たり前ではありません。例えば、カナダでは嗜好用大麻は栽培、購入、所持、使用は19歳以上に厳格なルールが定められ、未成年による使用は厳しく禁止しています。しかし、カナダ政府は単純所持に関しては、逮捕自体が少年の未来を摘むものであることを考慮し、ごく少量(乾燥大麻5グラムまで)であれば、所持に関しては禁止していません

はい、ここ超重要!
この誤解が薬物使用者にうまく切り抜かれ、都合のいい解釈がされています!

つまり、海外に行けば乾燥大麻5グラム以下であれば合法なんでしょ!
19歳以上であれば嗜好品として使える。ほらみろ!合法ってことじゃないか!

 

身体に良い悪いは別として、そもそも嗜好品として認められていないにも関わらず、あたかもそれが合法であるかのように声高に主張する人には、耳を貸す必要はありません。

ただ、日本大学アメフト部の大麻所持問題について感じることは、

大麻などの単純所持・使用に関して”非犯罪化”の世界の流れに日本が乗り遅れているのは明らかだということ。

日本では締め付けのように感じる大麻問題ですが、世界の大きな流れとしては医療用大麻の合法化の流れが顕著に見られるのは確かな事実です。

合法ではなく、非犯罪化という背景

カナダなどでは罰則(行政罰)という形で未成年者への違法な薬物使用を取り締まる法律があります。違反切符を切られた若者には、大麻予防教育プログラムが用意され、裁判所や検察官からこれらのプログラムを受ける代わりに刑を一部免除させるという減免制度です。諸外国の生涯薬物使用率を鑑みると、若者の未来を考えた場合、”罰”よりも”治療”を優先しながら対応していることが見てとれます。

https://yuruiizonshou.net/%e5%a4%a7%e9%ba%bb-1/

拡大する医療用大麻

大麻草(または、大麻から抽出した成分)は、症状改善や病気の治療薬として様々な場面で活用されています。主に、疼痛(体の痛みに関する不快な症状)の対症療法として処方されることがあり、日本では大麻成分を含む処方薬は活用されにくい現実はあるものの、諸外国では緩和医療で活躍する場面も少なくありません。今後、医療用大麻の合法化はさらに加速度を増していくことは容易に想像できます。

また、大麻から製造された医薬品には、医療上の有用性が認められていることから、医療用大麻を合法化する国は年々増加傾向にあります。治療効果に関して限定的ではあるものの、慢性疼痛の他にも化学療法における吐き気や嘔気治療にも一定の効果を示すことから、大麻成分の有用性の再検討が求められています。

https://www.qlifepro.com/news/20130105/oxford-university-was-at-the-controls-of-the-emotions-rather-than-relieving-pain-effects-of-cannabis-research.html

薬物蔓延は手押しからネットへ

手押しとは、薬物の売人と直接会って取引することを意味する薬物関連の隠語です。X(旧Twitter)やメルカリなどの怪しいアカウントのプロフィールには、このような隠語が多々用いられています。これまでの売人と直接顔を合わせる取り引きから、現在では当たり前のように掲示板やSNS等のDM(ダイレクトメッセージ)、メルカリ等の中古品売買サイトを介してのやり取りも増加傾向にあります。当事者同士のやり取りを仲介するメルカリ等では、内容物に関して把握しきれていないことをいいことに、犯罪の温床になっていることは明らかだと個人的に感じています。

大麻(マリファナ)の隠語には、ハッパ、草、ブロッコリー、ジョイント、ウィード、ハーブ、野菜などがあります。隠語は、その薬物の形状や特徴を表すものが多く、新しいモノが流行するとイタチごっこのように新たな隠語が生み出されます。

https://osaka.vbest.jp/columns/criminal/g_drugs/5124/

まとめ

日本大学アメフト部の寮から見つかった植物片が、警視庁の調べで大麻であることが確認されました。現在多くのマスコミで取り上げられ、大麻の入手経路だけでなく、「おまけ」と称して所持していた覚醒剤についても関係者への聞き取りが進められています。文科省は、日本大学に対して学内の情報伝達が適切に行われていたかどうかを検証するよう”指導”が入ったそうですが、現行の法律の中で学校や企業ができることは、ほとぼりが収まるまで黙っておくしかないのが現状ではないでしょうか。
情報伝達が適正にされても対処に関しては、学校は無策に等しいでしょう。

警察に届けなかった理由について「(学生に)反省させて自首をさせたいと思っていた」と説明していますが、なぜ学校は依存症専門病院適切な相談機関につながなかったのでしょうか。それは依存問題に関して日本や学校教育がいまだに無知であることを証明している発言に聞こえました。

過去の記事でもまとめた通り、依存症専門病院適切な相談機関につながれば【逮捕】以外の結末があったはずです。なぜ学校は学生らの守秘を優先させなかったのか。また、精神保健福祉センターなどの専門機関を誰も教えてあげられなかったことも残念に思えて仕方ありません。今後、依存症治療に関して、医療機関との連携を進めるのであれば、学校や企業の中にも専門職の配置などが求められることでしょう。

https://yuruiizonshou.net/%e3%82%88%e3%81%8f%e8%81%9e%e3%81%8f%e4%be%9d%e5%ad%98%e7%97%87%e5%9b%9e%e5%be%a9%e3%81%ae%e7%82%ba%e3%81%ae%ef%bc%91%ef%bc%92%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%83%e3%83%97%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%aa%e3%81%82/

大麻や覚醒剤を使用したとしても、人格がすぐに破綻してしまうわけではありません。私たちが学校などで聞いてきた「ダメ、絶対」の薬物乱用防止教育は現在変わりつつあります。「ダメ、絶対、だけじゃダメ!」という治療につなげるための意味合いが込められていたり、薬物依存からの回復にも力を注ぐ意味も含まれています。

だからこそ、彼らが常習的に薬物を使用していたのであれば「逮捕」ではなく「治療」に結び付けるべきだと私個人としては感じます。なぜなら、きっとそこには「使う理由」や「使わざるを得なかった経緯」が潜んでいると感じるからです。意志の強さだけではどうにもならない依存問題に対して、学校も彼らとの「つながり」切るべきでななく、シームレスな治療構造が今後一層求められるのではないでしょうか。

依存症対策全国センター 自助グループ
https://www.ncasa-japan.jp/you-do/other/self-help-groups/

中部エリア 自助グループ
https://najapan.org/meeting/chubu

https://yuruiizonshou.net/post-227/




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です