シャブ浜(覚せい剤)~落語のおはなし

落語が大好きで、通勤途中に落語やラジオを習慣的に聞いているのですが、その中でもこのサイトの大きなテーマでも「依存症」に関する落語をひとつ。

みなさん「芝浜」といえば一度は耳にしたことがある落語だと思います。
といっても一般の人は演題に「芝浜」って有名なものがあるのを知ってるだけの人が多いはず。

要約すると、仕事もろくにしないダメ亭主が、奥さんに急かされながら仕事に出ていき、芝の浜で大金を見つけてくるところから話は始まります。その大金を前に、働く気持ちすら失ってしまったこのダメ亭主。見かねた奥さんがダメ亭主に目一杯酔わせて大金を見つけてきたこと自体を夢にしてしまった。
お金があると思い込み、散々遊んだ挙句夢だと知った亭主は人生の底つきを感じ、そこから大好きだったお酒を断つのでした。元々は腕のいいこの旦那。酒を断ってシラフで仕事をすると仕事も人間関係も徐々にうまくいきだす。3年経った大晦日。奥さんは嘘をついていたことを告白するために旦那に勇気を絞って話し始める・・・
さてその結末は。

とまあ、ざっくりまとめると芝浜は人情噺(ばなし)に分類できる感情を揺さぶるような落語。立川談志師匠の「芝浜」は私が大好きな芝浜の一つです。
落語は演じる人によって同じ演目でも全く違って聞こえるのがいいところ。

 

同じく立川流の立川談笑さんの「シャブ浜」が大好きです。
「芝浜」を「シャブ浜」に文字ったこの落語。
単なるダジャレかよと思えば全くそうではない。
もともとの「芝浜」はお酒がやめられない旦那が主人公。
立川談笑さんの「芝浜」はシャブ(覚せい剤)がやめられない旦那が主人公。
落語の柱となるような肝心な部分が変わってもこの演目にはそれほどの惹きつける何かがある。

元暴走族で覚せい剤がやめられないトラック運転手の旦那が芝の浜で拾ったのがジュラルミンケース・・・笑
その中にあったモノをめぐって奥さんが人生をかけた大芝居に打って出る。
シャブを使っている時の時間の経過の表現がすごくリアルで聞くだけで情景が目に浮かぶこの作品。

すべてを奪い去る薬物の問題と家族のありがたさ、それでもなお、モノを目の前にすると体が反応してしまう葛藤。

是非とも見て、聞いていただきたい落語の一つです。
大好きな立川談笑さんのリンク貼っておきます♪




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