なぜ依存症者は恋愛禁止と言われるのか・・・

同じ依存を持つパートナーと付き合うことは、リスクを高めます。
依存問題を抱える人ならこのニュアンスなんとなく伝わるのではないでしょうか。同じように失敗を繰り返し、同じように底付きに向かっていく・・・そこには「孤独」ではなく、一緒に落ちていく心地よさがあるのかもしれません。

依存をテーマにした映画 28DAYS


2000年に公開されたアメリカの映画です。サンドラブロックが主演で、お酒や鎮痛剤依存の回復過程がリアルに描かれているこの作品。一見、生き生きとした生き方を描いているようで、周りの迷惑などお構いなしの主人公。更生施設で28日間自分の依存問題に向き合いながら依存の大きな波に飲まれてもなお抗おうとする。禁断症状に苦しむ一方で、スリップを繰り返し、なんとかその場を乗り切りながら依存問題に徐々に向き合っていく。根っこの部分なんて変えるつもりはない主人公が、同じ依存の問題を抱える患者と少しずつ心を通わせる中で何かを感じ取る。作中に描かれる依存に関する否認の問題は入院患者だけでなく、多くの人が抱える問題。依存と向き合うということは、自分の人生の問題に着手しなければいけないということがひしひしと伝わってくる作品。

恋愛禁止なわけ

「薬中は薬中と付き合うと再使用のリスクが高まってしまう。」
回復過程では誰と付き合うか、誰と深く関わっていくかまで意識しておく必要がある。
特に恋愛が関わってくると問題性は複雑化する。
できる限り同じ問題を抱える人との付き合いは避けておいたほうがいいというのが定石だったりする。

ラストの言葉が表す重さ(ちょっとネタバレ)

少しネタバレになるが、回復施設長のとてもいい言葉がある。
いつからデートしてもいいか。おおざっぱな見解だけど、家へ帰ったら、なにか植物を買ってくるといい。……一年経ったら、こんどはペットを飼う。さらに一年経って、もしその植物もペットも生きていたら、そのときには誰かと付き合っても大丈夫。」この言葉を字幕で見たとき、本当に依存問題の根深さを感じた。映画の中でサンドラブロックはある程度良好に回復したかのようにエンディングを迎えるわけだが、現実はそんな簡単なものじゃない。
いつでも失敗するリスクを伝えているこの言葉は、一時的な回復に惑わされないよう導いてくれているのかもしれない。
それほどまでに依存の問題は根深く人生の問題でもあるということが伝わるだろう。

追伸

日曜ドラマの「あなたの番です」が最終回を迎えましたね。
直前に考察動画などYouTubeで見ていたため、じっくり味わいながら見ることができました。海外ドラマを意識した半年スパンのこの作品。ドラマ業界がまだ変化を迎えようとしている兆しが少し垣間見れた。


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